整体と整骨院の違い
整骨院は「マッサージ」メインの施設ではない
整体と整骨院は、同じ「整」という文字を使っていて、ほぼ似たような施設と考えている方も少なくないようです。
しかし、整体で主に行われているのは指圧やマッサージなのに対し、整骨院はマッサージがメインの施設とはなっていません。
もともとは骨接ぎということで、骨折や脱臼、肉離れなどのケガを柔道整復術を使って治療するものでした。
今は手技による、西洋医学のアプローチに頼らない施術をもっと幅広く行っているので、指圧やマッサージといった施術も整骨院で広く行われています。
しかし、整骨院はマッサージのように疲労回復や慰安のための施設ではなく、どちらかというと医療施設寄りの立場にある場所と考えられるでしょう。
整体師は民間資格
また、整体で働く整体師の方は民間資格であり、国家資格である柔道整復師の方とは明確に区別されます。
どちらも施設を開業することができますが、整体は国家資格ではなく、医療行為も全く認められていないので、健康保険も使えません。
整体の位置づけは、どちらかというとエステやリフレクソロジーサロンといった施設に近いものになるでしょう。
ここ10年20年ほどで増えてきたカイロプラクティックも、整体と近い位置づけになります。
こちらも、カイロの資格があるといっても民間資格になり、医療行為が認められておらず健康保険も使えない施設です。
海外ではカイロを医療機関に近い位置づけで見ている国もあるので、近い将来カイロの有用性が高く認められれば、この制度が変わる可能性もゼロではありません。
整体はリラクゼーション、癒しで差別化
整体は医療機関としては全く認められていないので、ケガに効能があるとか、治療ができるといった宣伝をすることもできません。
ですから、お客さんを呼ぶためには整骨院とは違い、リラクゼーションができる、癒しが得られるといった方面で宣伝をしていくことになります。
そうした点で、症状の改善などをメインに訴えていく整骨院と、集客の点では大きく差別化できていると見ることができるでしょう。
ただ、最近は整骨院も整体も、どちらも人口に対してかなり施設数が多く、生き残りをかけて競争している状態です。
昔ながらの、少し入りにくそう、痛そうな施術をしそうなベテランの先生が1人いるだけの整骨院というのは、だんだん減っていく可能性もあります。
そのため、整骨院でも整体のように癒しメニュー、美容メニューといった形で、従来の整骨院に訪れる方以外にも集客をするところが多くあります。