日本酒・焼酎に異常なプレミアがつくことの問題
通販を中心に、プレミア日本酒や焼酎が高値
最近、一部の有名な日本酒や焼酎が、通販サイトを中心に高値で取引されるようになっています。
日本酒でいうと、獺祭や田酒、黒龍、十四代、久保田といったところがメジャーです。
洞爺湖サミットの際に乾杯に使われた、磯自慢なども一部で話題となり値段が上がりました。
焼酎では、芋焼酎を中心にプレミアがついているものが多くなっています。
昔から言われる、市場にあまり出回らない3M(森伊蔵・魔王・村尾)に、佐藤や伊佐美、麦焼酎では百年の孤独などに高値がついています。
転売して儲けようとする人により、異常な高値に
こうしたプレミアムなお酒に高値がついている原因は、こうした焼酎を人に先駆けて買い、転売している人がいるためです。
業者だけでなく、個人も簡単に通販やオークションなどでお金を稼ぐことができるようになったことが、大きく関係しています。
定価よりも高く売ることができる品物は、転売でお金稼ぎをしたい人にとっては狙い目となります。
その点、高くても購入したい、飲みたいというプレミアム日本酒、焼酎は目をつけられて当たり前かもしれません。
中には、本来販売されていた価格の3倍以上といった価格がつけられていることもあります。
悪質な業者だと、空き瓶だけを購入して別のお酒を入れてから販売するケースも報告されているほどです。
消費者側も適正価格で購入を
このように、異常な高値がつけられる日本酒や焼酎という状況は、儲けようとする転売屋の存在に大きな原因があります。
しかし、これは高くても購入してしまう消費者側の問題でもあります。
こうした状況を避け、適正価格で取引されるようになることは、蔵元にとっても消費者にとってもメリットとなります。
ですから、消費者側も転売で異常に値が吊り上がったところで購入するのは避け、入手が困難で予約や待ちが必要となっても適正価格での販売をしているお店で購入しましょう。
転売で複雑な流通経路をたどるほど、お酒の品質管理に問題が生じやすく、お酒の味自体が落ちる可能性も高まります。
この問題については、かつては人気日本酒「獺祭」を販売するメーカー、旭酒造が「高く買わないでください」という異例の広告を出したことからも、根深い問題であることがわかります。
多くの蔵元でも、良いお酒を、本来の価格でできるだけ多くの方に楽しんでもらいたいという思いを持っているわけです。