美しいけれど毒を持つ花たち

スズラン

北海道や東北地方などの寒い地方で咲く、白くて美しい花のスズラン。
美しさだけでなく良い香りがすることから人気のある花ですが、実は毒を持っているという意外な一面があります。
スズランにはコンバラトキシンという人に害を与える成分をが含まれており、スズランを誤って摂取してしまうと嘔吐や頭痛、めまいなどが発生することがあるので気をつけましょう。
コンバラトキシンはスズラン全体に存在していますが、特に花と根の部分には多く含まれているので注意が必要です。
また、この有害な成分は水に溶けるという性質があり、スズランを活けた水にその成分が流れ出ることがあるため、活けた水を誤って飲まないようにしてください。

彼岸花

秋になったら全国各地で赤く美しい花を咲かせる彼岸花。
この花にもスズランと同じく毒が含まれています。
彼岸花にはリコニンやガランダミンなどの有害物質があり、特に鱗茎と呼ばれる球根ような形になっている地下茎には多く含まれています。
彼岸花は毒を持っている花なのですが、実は様々な利点を人間にもたらす花でもあります。
その1つが虫除け作用。
畑や田んぼの近くに彼岸花を植えておくと、彼岸花ののもつ毒を嫌って虫が寄り付かなくなります。
さらに虫が寄り付かなくなると、それをエサにしているモグラなどの動物もまた畑や田んぼに来なくなります。
そして彼岸花の鱗茎は有害成分が多いものの、実は適切に用いると、利尿作用や去痰作用をもたらすことから、古くから石蒜(せきさん)という名前の生薬としても使われていました。
また有害成分は水で洗い流すことができるので、食料が尽きたときの非常食としても活用されたという歴史があります。

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アマリリス

ユリに似た大きな花を2個から4個ほどつけるアマリリス。
花びらは白色をはじめ薄い赤色や淡い黄色など美しい色をしていることから、自宅の庭で育てている方も多いしょう。
実はこのアマリリス、彼岸花と同じくヒガンバナ化に属しており、花びらから茎、根といたるところに毒があります。
食べたときに起きる症状としては嘔吐や下痢、血圧の低下などがあります。
ガーデニング目的で植えているので、誤って食べしまう方はあまりいませんが、油断はできません。
飼っている犬がこの花を食べてしまったり、庭に植えたアマリリスの球根を犬が掘り起こして食べたりと、飼い犬のほうが中毒を引き起こすことがあるからです。
アマリリスを育てているときはフェンスや柵を設けるなどして、飼い犬が近づけないようにしてください。